2011年06月14日
気仙沼の復興構想会議???
先日ようやく気仙沼市の復興構想会議ならびに市民委員会メンバー(行政主導による)が発表された。しかしいまこの発表に対し、多くの水産関係者、観光業者が首をかしげている。
まずこのまちの基幹産業である水産漁業者、魚市場、各漁協、そして観光産業に従事されている方々の名前が見当たらない。よくよく見ると確かに1名海に従事されるお方は入っている。しかし、気仙沼をではなく隣の唐桑で活躍されている、まちづくりというより海づくりや自然保護活動を中心に行っているNPO法人の若手代表のお方である。
他にも各ボランティア団体の方、陸の商売の方、関連産業の方、まちの有名人の方々のお名前は数名見受けられるが、本業として海を生業としている方の姿は見えない。
今回の復興構想は、新たな水産都市の在り方というものを創造するためにも、日本全体という枠組みのなかでも、とても重要な役割を担った会議体であると私は認識している。
このまちの市長は、世界一漁業のことを理解しているはずの市長?であったはず… 市長は我々の先輩。元若手マグロ漁業者のリーダー。我々にはどの様な意図をもってこの人選を行ったのか全く理解不能である。
震災以前のことを考えても、いま漁業は一つの過渡期に差し掛かっていたと思う。このまちの復興だけではなく、まちをあげて、国をあげて、この日本の漁業そしてこのみなとまち気仙沼の復興、新たなまちづくりを考えているのであれば、あえて自分たちの世界観だけではなく、むしろ反対の意見、逆の考えを持っている方々を多く入れ、本気で議論をぶつけ合える様な場を、なぜ作ることは出来なかったのであろうか? 私には今回の気仙沼市のやり方には、今の政府と同様、民主自民の政権争い、政府の決めた学者だらけの構想会議、第一次生産者・現場を無視した理想ばかりの会議体に思えてならない。
確かに、尊敬する方々も多く入っている、そして今後パブリックコメントを受け付けるとも言っている。しかし、メンバー自体にこのまちの基幹産業に従事している方々が入っていないというのには、私には全く理解しがたい。多くの学識研究者、イラストレーター、お菓子屋さん、高校教師、コンピューター関係者等々… そのような方々を選ぶのであれば、なぜ1人でも多く、口うるさい漁業の方、漁船漁業の方、市場の方、水産加工業の方、観光業の方を選ぶことは出来なかったのであろうか?
震災から3か月。いま気仙沼の復旧作業は何処のまちより遅れているのは確かである。まちに暮らす人々は日に日に余裕も無くなってきており、このままでは気仙沼の水産業どころか、被災した多くの市民が生きるすべさえ見失ってしまう。
何かが違う。いまのままではいけない。何とかしなくてはいけない。
いまはいかに人のことを想いやれるか。比較的被害の少なかった方々が、まちの弱者のために行動を起こせるかである。
この被災地の救世主はいったいいつになったら現れてくれるのだろう…
いままちの人々は、焦りといら立ちを感じながら、溢れくる怒りを抑え毎日を過ごしている…
(株)臼福本店
代表取締役専務 臼井壯太朗
三陸新報6/12付掲載記事 https://www.sugarsync.com/pf/D267891_70_385108497
Posted by 促進会 at 10:51
│宮城北かつ経営研究委員会